大阪地方裁判所 昭和46年(わ)1737号 判決 1972年4月08日
本店の所在地
大阪府岸和田市吉井町二七〇番地
商号
土佐建設株式会社
代表者の住居・氏名
大阪府岸和田市吉井町二七〇番地
岡林豊喜
本籍
大阪府岸和田市吉井町一三五番地
住所
同市吉井町二七〇番地
会社役員
岡林豊喜
昭和九年四月六日生
右の者らに対する法人税法違反被告事件について、検察官佐々木信幸出席の上審理を遂げ、次のとおり判決する。
主文
被告人土佐建設株式会社を罰金二〇〇万円に被告人岡林豊喜を懲役三月にそれぞれ処する。
この裁判確定の日から二年間右岡林豊喜に対する懲役刑の執行を猶予する。
訴訟費用は被告人会社および被告人岡林豊喜の連帯負担とする。
理由
(罪となるべき事実)
当裁判所の認定した罪となるべき事実は起訴状に記載された公訴事実と同一であるからここにこれを引用する。
(証拠)
一、岸和田税務署長作成の証明書二通
一、被告人会社登記簿謄本、定款謄本
一、山内雅子の収税官吏に対する供述調書三通
一、国税査察官大槻勝作成の調査書綴(売上高・仕入高・棚卸高・売掛金・前受金関係)
一、国税査察官平田輝男作成の銀行関係調査書綴
一、岸和田市農業協同組合八木支所長西河正文、同支所次長前田良照、岸和田市農業協同組合中央支所長大植朔郎、興紀相互銀行岸和田支店長黒田実(二通)、春木信用金庫常務理事原精太、愛媛相互銀行大阪支店長安順之助、協和銀行天下茶屋支店長橋本正臣各作成の確認書
一、国税査察官久保浩作成の経費関係調査書類綴
一、富田賢ほか七〇名の収税官吏に対する土地建物売買に関する回答綴
一、門口隆、荒木勇、村田吉美、伊藤時繁の収税官吏に対する供述書各一通
一、西河正文の収税官吏に対する質問てん末書
一、国税査察官平田輝男作成の車両および什器備品ならびに同減価償却に関する調査書類綴
一、収税官吏作成の差押てん末書五通、領置てん末書二通
一、押収にかかる銀行勘定帳一綴(昭和47年押第187号の1)、手形小切手帳一綴(同号の2)、買掛帳一綴(同号の3)、家賃領収明細一綴(同号の4)、領収書、請求書、納品書二六綴入り一箱(同号の五)、道路通行権設定契約書一通(同号の6)、手帳一冊(同号の7)、土佐建設(株)法人税確定申告書一綴(同号の8)、土地売買契約書一綴(同号の9)、工事請負契約書一綴(同号の10)、家賃領収通帳一通(同号の11)、モダン荘アパート賃貸借契約書一枚(同号の12)、四四年度売上及び建物引渡表一枚(同号の13)、四五年度売上及び物件引渡表一枚(同号の14)、売買契約書念書一綴(同号の15)、請求書(控)一綴(同号の16)、通知預金元帳一葉(同号の17)、定期預金元帳一葉(同号の18)、日記帳(同号の19)、四五年度振替伝票一二綴(同号の20)、四五年度振替伝票六綴(同号の21)、給料支払帳一冊(同号の22)、総勘定元帳一冊(同号の23)、売買契約書一綴(同号の24)、請求書領収証六綴(同号の25)、同二綴(同号の26)、同一綴(同号の27)、領収証三綴(同号の28)、同二綴(同号の29)、請求書二綴(同号の30)、同一綴(同号の31)、同二綴(同号の32)、納品書綴(同号の33)、総勘定元帳一綴(同号の34)、売上帳一綴(同号の35)、現金帳一綴(同号の36)、経費帳一綴(同号の37)、雑記帳一冊(同号の38)、建売用地売却契約書一綴(同号の39)
一、被告人岡林豊喜の収税官吏に対する質問てん末書一一通検察官に対する供述調書一通
一、被告人の当公判廷における供述
(法令の適用)
各事業年度ごとにそれぞれ
被告人土佐建設株式会社につき
法人税法一五九条一項、一六四条一項
被告人岡林豊喜につき
法人税法一五九条一項(いずれも懲役刑選択)
被告人土佐建設株式会社に対する罰金額の合算
刑法四五条前段、四八条二項
被告人岡林に対する懲役刑の併合罪加重
刑法四五条前段、四七条本文、一〇条(犯情の重い起訴状公訴事実第二に記載された罪の刑に加重)
訴訟費用の負担について
刑事訴訟法一八一条一項本文、一八二条
(裁判官 石川哲男)
公訴事実
被告人土佐建設株式会社は、大阪府岸和田吉井町二七〇番地に本店を置き、建売住宅の分譲を業とするもの、被告人岡林豊喜は、右土佐建設株式会社の代表取締役としてその業務全般を統轄しているものであるが、被告人岡林豊喜は、被告人土佐建設株式会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、
第一、被告人土佐建設株式会社の昭和四四年二月一〇日から昭和四四年三月三一日までの事業年度において、その所得金額が二、三一一、一八一円、これに対する法人税額が七七三、八〇〇円であるのにかかわらず、公表経理上売上の一部、期末たな卸商品の一部を除外する等の不正行為により、右所得金額中二、一七三、二一二円を秘匿したうえ、昭和四四年五月三〇日大阪府岸和田市所在岸和田税務署において、同署長に対し、同年分の所得金額が一三七、九六九円、これに対する法人税額が三八、三〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、よつて同年分の法人税七三五、五〇〇円を免れ、
第二、被告人土佐建設株式会社の昭和四四年四月一日から昭和四五年三月三一日までの事業年度において、その所得金額が三五、八六二、四八六円、これに対する法人税額が一二、二一〇、四〇〇円であるのにかかわらず、公表経理上売上の一部、期末たな卸商品の一部を除外し、架空経費を計上する等の不正行為により、右所得金額中二六、四二七、五五二円を秘匿したうえ、法人税確定申告期限後である昭和四五年六月三日前記岸和田税務署において、同署長に対し、同年分の所得金額が九、四三四、九三四円、これに対する法人税額が二、九七〇、七〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、よつて同年分の法人税九、二三九、七〇〇円を免れたものである。
右は謄本である。
昭和四七年四月一四日
大阪地方裁判所
裁判所書記官 岡本副